12/29/06

豚肉と大根の煮込み

何か最近、晩ごはん日記になってきた。

今日の晩ごはんは、豚肉と大根の煮込み。またしても圧力鍋の登場だ。

鍋に煮汁を作り、にんにく、しょうが、たかの爪、そして豚肉を入れる。車で2時間かけて買出しに行った(しつこい)、中国食材スーパーで購入した、 「大根」も入れた。 (この辺、どこにも大根売ってない・・・)

圧力鍋で調理すること30分、減圧してふたを開けると、煮込みができていた。

レタスとにんじんのサラダ、バルサミコとオリーブオイルのドレッシング、
アスパラガスのガーリックオイルソテー、お漬物。
以上が今日の晩ごはん。


いやー、圧力鍋めっちゃいいわー。同じエネルギーで調理時間何分の一にも短縮できて、しかも味がしみ込んで美味しく仕上がる。すごいぜ、圧力。日本からルクルーゼのお鍋持ってきたけど、ちょっと出番が減るかもしれん。

今日も美味しゅうございました~

12/28/06

18ヶ月ぶりのラーメン

ラーメンを作って食べた。約18ヶ月ぶりのラーメン。とっても美味しかった。

昨日買った圧力鍋の初仕事は、クリスマスに焼いた鶏のガラからスープをとること。鶏ガラ、水、セロリを鍋に入れて、ふたしっかり閉じて加熱。蒸気が出てきて圧力かかってきたらそこから15分。火からおろして自然に冷まして、ふたを開けたらスープがしっかりできていた。

塩コショウ、ごま油、しょうゆ、ネギみじん切り、以上でスープ完成。

2日前に車で2時間かけて買出しに行った中国食材スーパー「Grand Asia Market」で購入しておいた生麺を、冷蔵庫から取り出す。麺をゆでて水を切り、どんぶりに入れ、スープを注ぐ。チャーシュー代わりのハムを乗せて、ラーメンの出来上がりだ。

こんなものでも、ここシーグローブではとっても貴重なご馳走だ。
そして、圧力鍋に感謝。

~今日も美味しゅうございました~

12/25/06

鶏の丸焼き

今日はクリスマス。どこもかしこもお休みで開いていない。こんな日は家でゆっくりするに限る。

鶏やターキーは丸ごと売られているこの国では、休みに丸焼きを料理するのがとっても楽しみなこと。こういうものは大抵、大勢の家族で分け合っていただくものなのだが、うちは2人+2匹(内1匹は魚しか食べん)の小家族。

だが、サンクスギビングのターキー丸焼きに続き、調子に乗って今度は鶏1匹を購入。クリスチャンではないが、イベントを大いに楽しもうではないか。7.34パウンド(約3.3㎏)、$9(約1100円)。

<手順>
中を洗い、オーブンパンに入れる
お腹の中に、切ったセロリ、くし切りしたジャガイモを入れ、爪楊枝で閉じる
皮に小さな切れ目を入れ、にんにくを差し込んでいく(10ヶ所ぐらい)
溶かしバター、コショウ、クレイジーソルト、ハーブ、を表面にすり込む
オーブンは華氏325度(約165度)
1時間に1回、落ちた肉汁をスプーンですくってかける
3時間後、出来上がり


ドン。


直径30cmの皿から、手羽がはみ出てる(笑)。

鶏の中に詰めていた蒸し野菜。落ちた肉汁でグレイビーソース。お豆とブロッコリーとアスパラガスをおなべでコトコト煮込んで、マッシャーでつぶしてピューレにして、牛乳と生クリームでポタージュにしたもの。パン。

以上が今日の晩ごはん。

皮はパリパリ、中はジューシー。とっても美味しい。が、もちろん全部食べられるはずもなく、残ったお肉は明日のチキンサンドイッチに、骨は煮込んでチキンスープになる予定。

今日も、美味しゅうございました。

そして鶏さんにも感謝。

12/24/06

クリスマスイブの晩ごはん

今日はクリスマスイブだ。雪が降るどころか、半袖でもいいくらいの生暖かさ。

小洒落たレストランで、ちょっときれいな格好して・・・などという幻想は置いといて、本日の晩ごはん。



・・・ドーンと、お好み焼きだった。あっはっは。

ちなみに、ぶた玉。ソースはブルドッグ。直径9寸。そして、完食。

夢もロマンもない?

~それでも、美味しゅうございました~

12/23/06

突撃!うちの晩ごはん

マサチューセッツだろうがシーグローブだろうがロンドンだろうが信楽だろうが、自分で料理できる限りは、毎日普通に、和食っぽいものを食べている。

たまにはアメリカンなものや、イタリアン、メキシカン、コリアン、タイ、などなど風のものをレストランで食べたり、作ったりすることもあるけど、やっぱり和風が一番落ち着く。

さて、今日のメニューは、ご飯、鶏のくわ焼き、鶏ガラで取ったスープ(セロリ入り)、キャベツの千切り(大盛り)、ゆでとうもろこし、さやインゲンの黒ゴマ和え、オクラとシーチキンの和え物、漬物代わりのピクルス。
今日の食材の費用は、ご飯を入れても$5もかかってないかもしれん。安さではなく、栄養のバランスとヘルシーさを心がけねば。晩酌はビールと、ワイン・・・ではなくて健康のために飲んでいるクランベリージュース。ちょっとミスマッチ。
今日も美味しゅうございました~

12/20/06

改めて、サムライを知る

12月に入り少し時間に余裕が出てきたので、Netflixで借りるDVDの数をもう1枚増やした。(Netflixについての前の記事はこちら

日本にいる時に一度も借りたことも見たこともなかった黒澤明監督の映画を最近立て続けに借りて見ているが、その面白さに目からうろこが落ちた。「七人の侍」、めっちゃ面白いやんか!「用心棒」「椿三十郎」も同じく、とてもよくできた映画だ。三船敏郎がいい味を出しているのが大きいからかも。三船敏郎や黒澤明が亡くなる前に、リアルタイムで作品が見てみたかった・・・。何故か、敢えて、避けてきてしまったのだよなあ。悔やんでも仕方がないので、今日は着いたばかりの「影武者」を見ようと思う。フフフ。楽しみ。

さて、3週間前ヴァージニア州に住むとても親しい友人(アメリカ人)を訪ねた際に、「ぜったい損しないから、この映画だけは見た方がいい!」と半ば強制的に押し付けられた、「Shogun (将軍)」というDVD。(え~5枚組みかあ、しかも25年も前の映画、じゃなくてテレビドラマか、ショボイ話ちゃうんか、メンドクサー・・・・)と思いつつ、いざ見てみると、これが中々面白いではないか。結局、毎日少しずつ、10日ぐらいで全部見終えた。

ストーリーは、1600年ごろの日本。オランダ船に乗っていたブラックソーンというイギリス人が日本に漂着し、サムライの国の文化や人々の暮らしを垣間見つつ、マリコ(島田陽子)というキリシタンで流暢な英語を話す武家出身の女性と恋愛もしつつ、虎長(三船敏郎)という大名にとても気に入られ、いきなり立身出世して旗本となり、「ワタシハサムライデス」となぜかそれを自然に受け入れ(アンタ船乗りやろ!)、黒船団とかイエスズ会の陰謀に巻き込まれ(結局それが何だったのかよく分からなかった)、戦国から江戸までの激動の時代を生き抜く、という話。全編に渡り、突っ込みどころ満載ですが(笑)。いろんな意味で、とーっても面白かった。

でもこの時代、切捨て御免や切腹とか、サムライ至上主義や身分制度など、今からは想像もできないくらい異様な文化。女性として、少なくとも基本的人権が保障されている現代に生まれてこれて、本当によかった。

DVDを貸してくれた友人は、これを何度も見て、「オハヨーゴザイマース」「コニーチハ」「サーヨナーラ」「ハイ」「イイエ」「ワーカリーマセン」等フレーズを学んだに違いない。

また、ボーナスDVDのメイキングで出演者が、「このドラマは当時(1980年)アメリカに大センセーションを巻き起こし、人々に日本の歴史や文化に対する興味を持たせるきっかけとなった。テレビでドラマが放映される日は皆早く帰宅して待っているから、放映時間にはレストランやモールや映画館から人気がなくなるぐらいの大ブームになった。寿司がアメリカで流行ったのも、このドラマの後からだよ。」と言っていた。

ラストサムライ以前にこんなにアメリカで絶賛され、長く愛されたドラマがあったことを、全く知らなかった。黒澤映画しかり。

しかし、私もまだまだやなー。

11/19/06

シーグローブ陶器祭り



毎年サンクスギビング前の週末は、シーグローブの陶器祭りだ。今年は第25回目。結構長く続いているようだ。入場料$5を払い中に入ると、大勢の人でごった返している。特にサンクスギビング辺りから、人の財布の紐は緩みがちなので、ここが売り時。知人のブースでおしゃべりしつつ、いろいろ見て回る。

信楽の陶器祭りもそうだけど、こういう直販イベントは、陶芸家には貴重な現金収入だ。こうやって手作りの器たちが、誰かの家に買われて使われるのは、特にアメリカの社会にはいいことのように思える。

来年は自分も出展するか?うーん、11月は寒いし、気が進まないなあ。

11/9/06

一生懸命作ってみた

友人のナンシーの誕生日が迫っている。いつもいろいろお世話になりっぱなしなので、何か喜ぶようなものを用意せねば、と考えていたのはこの夏。物に溢れた彼女を喜ばせるには、ちょっと工夫が必要だ。いろいろ試行錯誤した挙句、出来上がったのがコレ。実はただの犬の置物ではありません。





彼女の愛犬ビアトリス(バセットハウンド・メス・6歳ぐらい?)と、土笛を合体させた、我が力作「BBオカリナ」(BBはビアトリスの愛称)試し吹きしてみると、ちゃんとドレミファソラシドを奏でるではないか。我ながら、うまく出来たものだ。うん、なかなか土笛も奥が深いぞ。

前からみたBBオカリナと、本物のビアトリス。似てるかな?










10/30/06

繁忙期

秋はシーグローブの陶芸家にとって、最も忙しい時期だ。セールもあるし、作品も作らねばならない。

友人のデイヴィッドのところでは、今は窯詰めの最中だ。大きな壷の窯詰めに人手がいるというので、仕事の後に手伝いに行くと、まだ大壷の出番ではなかった。

窯詰めの風景。デイビッドの友人、エストニア人のアンドレスも手伝う。




上の写真は、明日の朝、窯詰めの出番を迎えるデイヴィッドの大壷。幅・高さ共に130センチぐらい。ちなみに200キロぐらいの土を使っているらしい。非常に薄いつくりになっている。窯詰めは、壷の胴にシーツをねじって巻き、4人が一斉に持ち上げ、ゆっくりと歩いて運ぶ。

窯詰めが終わり次第、窯焚きに入る。今週末まで焚くことになるだろう。

10/23/06

薪窯が出来てきた

STAR Works Ceramics で行われていた薪窯築窯ワークショップも、段々終わりが見えてきた。今日までの出来栄えはこのような感じ。


二の間まで完成。後は三の間、捨間、そして煙突。地面を掘り、柱を立て、屋根を上げるまで長かったのに、そこからさらに長い道のりだった。主催者、参加者、協力者、文句の多い隣人、全部含めて、お疲れさんです。

STAR Works Ceramics のウェブログはこちら

10/15/06

信楽から


信楽の陶芸家・加藤肇さんが、木曜日にこちらに来られた。月曜日から穴窯を築窯するワークショップをしてくださる。

思ったよりも時差ぼけに苦労していらっしゃる。日本とアメリカ東海岸は、現在13時間差。頭では時間が分っていても、身体の時計を戻すのは、簡単ではない。

土曜日の晩は、友人宅で持ち寄りのパーティ。私はNC州産のエビと自家製シソ、きゅうりを使った巻き寿司、ナンシーはプルコギ(韓国風焼肉)を作った。メキシコ人のサンティアゴ(私は「サンちゃん」と呼んでいる)が作ってきてくれたレンティル豆のスープが、とっても美味しかった。

楽しい一時。来週からはめちゃめちゃ忙しくなりそうだ。


9/28/06

掘る仕事

柴田の勤め先、STAR Works Ceramics Materials & Research で、薪窯を作ることになった。10月に信楽の陶芸家・加藤肇氏を招いて、窯作りワークショップを開催する。
詳しくはこちら:www.starworksnc.org


その前段階として、整地・窯屋根作りが最近始まった。大まかなところは、トラクターとショベルカーに来てもらい、機械で掘ってもらったのだけど、窯を築くための正確な整地は、人の手じゃなければできない。

男4人(柴田、Joe、Tim、Santiago)が1日かかって、掘った仕事がこれだ。





農業や土木工事など、「大地を掘る」という仕事は、やっぱりすごいなあ。

これから、柱を立て、屋根を作る。10月16日からは、加藤氏と、薪窯作りだ。

8/14/06

映画鑑賞

映画館で映画を見るのが、好きな時期があった。テレビで放送される洋画劇場やレンタルビデオではなく、小ぎれいなカッコをして、わざわざ車で3、40分かけて映画館に行き、売店でパンフレットとかも買ったりして、楽しみにしていた映画を見る、その行為を楽しいと思う時期が、私にも昔はあったような気がする。

最もドキドキするのは、席について、映画が始まる時間に、辺りの電気が薄暗くなり、スクリーンが明るくなる瞬間だった。トイレやポップコーンを買っている間に、それを失うのがとっても嫌だったので、席についたら絶対に離れたりしなかった。日常から非日常の映画の世界に飛び込む儀式のような、そんな気がしていたからだ。

さて、今日の私は、結構そんな映画美学というか信仰のようなものはすっかり消え去り、暇があって、気分的にめんどくさくなければ見に行こうかなあ、ぐらいの意気込みである。アメリカの映画館は、たいがいのショッピングモールに併設されていて、買い物の合間に気軽に飛び込む程度の娯楽だ。料金もすごく安くて、近所の映画館のケースで、午後6時以前の映画は$4(480円ぐらい?)、午後6時以降の夜の回は$6(720円?)。マサチューセッツでもさほど変わらなかったように思う。きっとどこでもそんなものだろう。

今週末、特にすることもなく、買い物に出かけたついでに、久しぶりに映画を見ることにした。すっかり人気も下火になってきた、「パーレーツ・オブ・カリビアン2」だ。ジョニー・デップのはまり役、ジャック・スパロウのいい加減ぶりが、超おかしい。海賊たちの話す言葉が聞き取りにくくて、意味が分らない部分もあったけど、まあそこそこ楽しめる映画だった。

映画を見終わった後で、これがディズニーの配給だったことに気が付いた。そういえば、ディズニーランドのアトラクションに「カリブの海賊」っていうのがあった。なるほど。ディズニーランドも、非日常体験を提供して利益を上げる産業だった。そうか、人は皆、退屈でつまらない日常から脱出するため、お金を払い、エキサイティングでドキドキできる、しかも安全が保障されている異空間に飛び込むのだ。

もし、日々の暮らしが、面白く、刺激的で、楽しくて仕方がないものだったら、そんなフェイクな非日常体験なんて、色あせて見えるのかなあ、と、ふと考えた。まあそんなことはありえないので、世の中のエンターテインメントは、世界の経済を担っているのだろう。

7/30/06

シャーロットに行ってきた

29日土曜日、朝から張り切って、シャーロット(Charlotte) に行ってきた。シーグローブから西に、どこまでも続く森を超え、約1時間40分。突然開けた景色の中に、巨大なビルが出現した。



シャーロット は、ノースキャロライナ州南西部に位置する、州最大人口の都市だ(州都ではない)。市内の人口は約59万人(2004年)だが、近年人口増加が激しく、都市圏人口は150万人以上に上る。西にアパラチア山脈を控え、一帯を形成するピードモント工業地帯の中枢を成し、電子、化学、衣料、食品、印刷など多様な工業が集積するが、古くはカタゥバ川の水力発電による紡績業が盛んであったようだ。

朝一の用事をさっさと済ませて、長い間行きたかった「Mint Museum of Art」に足を運んだ。ここは元造幣局の建物。19世紀に、シャーロット近郊のアパラチア山脈から金が発見された後、ゴールドラッシュによって町は栄え、全米初の造幣局が作られた。その跡地を利用して、美術館が設立された。ちなみに「Mint」は、ハーブのミントではなく、「造幣局」の意味を持つ。

http://www.mintmuseum.org/

また、シャーロット・アップタウン(ダウンタウンとは言わないらしい)には、別館の「Mint Museum of Craft +Design」があり、現代の工芸やデザインに関するコレクションを展示している。日本の陶芸家、秋山陽氏の作品もあった。

別館の中に小洒落たカフェがあり、ここでランチ。アスパラガスとチキンのバルサミコ味サラダが、思いのほか美味しかった。

あと、韓国食材店「ロッテ」でお米を買い、帰路についた。たまには、街に来るのもいいものだ。

7/19/06

ピーターズバレイで寄り道

ペンシルバニア州とニュージャージー州の州境辺りは国立公園となっていて、野生動物がたくさん住み、自然の森が保存されている。夏はキャンプなどレジャーで訪れる人が多いが、冬は雪に閉ざされる。ニュージャージー州レイトンというその辺りのさらに山手の方に入った外れに、ひっそりとたたずむのが、「ピータズバレイ工芸教育センター(Peters Vallery Craft Education Center)」だ。陶芸、金工、木工、ガラスなどいろいろなクラフトがあり、夏のワークショップをメインに、さまざまなイベントが行われている。

詳しくはウェブサイトへ: www.pvcrafts.org/

ピーターズバレイの陶芸スタジオ(2006年)



7月15日(土)、NY・Ithacaからの帰り道、ルート81からちょっと外れてニュージャージーに入り、ピーターズバレイを訪れた。ここに来るのは2002年のクリスマス以来で、約3年半ぶりだ。

ここは、特に柴田にとっては特別な場所だ。当時私たちはマサチューセッツ州ニューベッドフォードに住んでいて、私はUMass Dartmouthの学生で、彼の方は地元陶芸家のスタジオを借りて、お互い制作活動に励んでいた。2002年秋、レジデンシーアーティストとして受け入れが決まったピーターズバレイに、柴田が単身で行くことになった。車に荷物を詰め込んで、マサチューセッツからニュージャージーまで300マイル(480km)運転して、2ヶ月間滞在制作をした。


日本人陶芸家・坂爪氏が築いた、ほとんどトンネルのような穴窯。
煙突側から写真を撮っているのだが、ただの穴のように見える。(2002年)

登窯。ノースキャロライナ・ポタリーセンターのものと全く同じデザイン。(2002年)

レジデンシーアーティスト用のハウス。当時乗っていた、プリマス・ヴォイジャーも。(2002年)

ここの陶芸スタジオを管理運営するのは、ブルース・デナート(Bruce Dehnert)氏。たぶん、私たちが知っている限りで、もっとも仕事のできる、そして良く働く陶芸家のうちの一人だろう。どんなにしんどい仕事も一人でこなし、スタジオを訪れる人たちのためにその労力を惜しまない。「まだまだ、ブルースほどは働いてない」と、私たちが良く使うフレーズになるくらいだ。

久しぶりに訪れたと陶芸スタジオは、夏のワークショップの真っ最中で、ブルースはとても忙しそうだった。生徒たちは一生懸命ロクロを引いている。夏季アシスタントの女性が2人いて、そのうちの一人はこの秋から、私が通っていたUMassに大学院生として進学するという。老婆心ながら、ちょっとだけアドバイスした。

陶芸スタジオの様子(2006年)


ブルースと、奥さんであり画家でもあるKulvinder(発音が難しくカタカナで書けないが「コゥヴェンダー」がちょっとだけ近い)に、お茶の時間を取ってもらい、Ithacaでのワークショップの話、信楽のこと、シーグローブのこと、柴田のプロジェクトのこと、NCポタリーセンターのことなどを、時間を気にしつつかいつまんで話す。


Bruce と Kulvinder (2002年)

あまり時間を取ると生徒にも悪いので、早めに切り上げお別れを言った。シーグローブからピーターズバレイまでは、車でノンストップで来ても14、5時間はかかるだろう。今度いつ来れるか分らないけど、でもまた、この2人に会いに来よう、と思うのだった。




7/18/06

コーネル大学でのワークショップ

コーネル大学でワークショップとレクチャーを行った。

コーネル大学は、1868年に、エズラ・コーネルによってNY州Ithacaに開設された。アメリカ北東部にある8つの大学で構成された「アイビーリーグ」の一つで、歴史があり、入学志願者の多い人気校だ。コーネル大学のあるIthacaは人口3万人、フィンガー・レイクス地方と呼ばれるニューヨーク州の中部に位置し、NYCからは約400km離れている。



3年前に1度、美術館を見るために、ここを訪れたことはあったが、仕事のために滞在するのは初めてだ。私たちを招いてくれた、コーディネーターのアンディ・パルマー氏に連れられて、美術館や構内を歩く。丘の上に美しい校舎や時計台が建ち、古き良き雰囲気を醸し出している。

大学付属の美術館


ワークショップでは、NCから持参した原土を何種類か使い、ロクロを挽き、大鉢や皿、急須、壷などを2日間かけて作った。参加者は2~30人ぐらいだった。皆、非常にまじめに、時にノートをとりながらしっかり聞いている。

今回、特に強調したのは、自然の原料・原土を使い、自分のオリジナルの素材を大切に使うことだった。私たちの陶芸はとてもシンプルで、掘った土を水ひして土をつくり、焼締か、または化粧や灰釉を使って装飾をし、薪の窯で焚く、というものだ。ビルの中に作られ、設備が整った限りある空間である学校内のスタジオでは、なかなか経験できないものなので(原始的とも言えるが)、逆に興味深かったのではないかと思う。



1日目の最後には、前の晩に何とか用意した、スライドプレゼンテーションを行った。信楽の写真や、マサチューセッツ州、ヴァージニア州、そしてシーグローブのやきもののことを紹介した。

2日目は、シーグローブから持ってきた竹を使った、竹の道具ワークショップを開き、各自弓や竹べらを作った。また磁器土を使ったはんこワークショップも行い、自分の名前を彫ってはんこを作った。

大勢の人の前で、英語で話し、作品を作り、短時間で仕上げて、しかも皆に満足してもらうというのは、よほど慣れた人でない限りは、いつまでたっても結構苦痛なものだ。だが、新しい人たちとの出会いや情報交換、ネットワーク作りは、自分の見識を広げるためにとても大切なことだと、いつも思う。

充実した4日間をいただいたことに感謝しつつ、次の目的地、ニュージャージー州ピーターズバレイクラフトセンターに向けて出発した。

7/12/06

NY州Ithacaに参上 

Ithacaの町と湖


Ithaca (イサカとカタカナで表記するのだろうけど、ちっとも正しくない発音だ)は、NY州北部、湖に近い辺りにある、こじんまりとした美しい町だ。アイビーの一つコーネル大学、谷を挟んだ向かい側にあるIthaca College の2つの大学関係者で、その人口の大半を占めるという。

NC州シーグローブを月曜日の夕方出発し、途中バージニア州にある小さな町で1泊し、次の日早くにホテルを発ち、ルート81号をひたすら北上した。バージニア州、ウェストバージニア州、メリーランド州、ペンシルバニア州と超えて、NY州Ithacaにたどり着いたのは2日目の午後6時。のべ12時間の運転で、距離は1100kmを超えた。



今回はサマーバケーションではなく、コーネル大学の陶芸スタジオでワークショップとレクチャーをするためにやってきた。ちなみに、コーネル大は芸術学部のプログラムが非常に充実していて、さらに併設されている大学の美術館は、自治体の運営する公立美術館などよりもよっぽど大きかったりする。

今日はスタジオで道具と土を準備し、先週登り窯で焼いたばかりの器を参考のために並べて、後は構内を散策して、ホテルに帰って来た。明日から2日間、学生のために集中講義だ。レクチャーのための資料も作っておかなければ。

7/7/06

登り窯を焚く2

7月4日はアメリカ独立記念日。人は皆、バケーションにいそしんでいる。こんなときに、30度を越す中、登り窯を詰めている。来週NY州北部に1週間ほど行くので、その前に窯を焚いておかねばならないからだ。

NCポタリーセンターでの、3回目となる登り窯焼成は、一番嫌な夏の窯焚きだ。

詳細はまた後日書き加えるが、概略をここに。

7時に窯詰めを終え、9時ごろからガスバーナーで焙る。
7月5日に日付が変わったころ、バーナーのチェックに行く。このまま朝まで焙る。
午前6時、窯に行ってみると火が消えている。ガスから薪に変え、火袋のさま穴から焙りを続行。
午前11時、火袋焚き口から薪を本腰で入れ始める。
しばらくした後、一の間の焚き口からも、薪を入れ始める。
午後4時、一の間のコーンO10(還元に入る温度帯)が倒れる。エアダンパーを開き、シャットダンパーを閉じる。還元開始。
午後10時、一の間の最も低い部分のコーン10番が倒れる。
二の間に移り、薪を入れ続ける。
午後11時、コーン6が倒れたので岩塩を投入。ガスがいっぱい出る。身体に悪い。
午前12時半、一番低い部分の10番が倒れる。
午前1時、窯焚き終了。

合計19時間(+ガスバーナーでの焙り約6時間)

非常に疲れた、窯焚きであった。年取ったら、もう無理かも。

6/3/06

レンタルDVDを楽しむ


ネットフリックス(Netflix)というレンタルDVDサービスを利用して半年ぐらいになる。DVDが郵送で送られてくるので、いちいち店まで借りに行き&返却する手間がなくてとても楽だ。しかも返却の期限が無いのが、「いつまでに見なくちゃ」という変なストレスが無いのでいい。返却しないと次のが来ないから、見終わったらすぐ郵送することになる。よくできているシステムだ。

見たい映画は、ネットフリックスウェブサイトで検索する。アメリカは映画の公開が終わると結構早くDVDが発売されるので、見逃した映画が新作としてすぐ見られるし、「わざわざ映画館じゃなくてもDVDでいいや」ぐらいの映画をネットフリックスで見ることも多い。まあ映画館で見ても、一人$4~7ぐらいなので、高いものではないけど。

アメリカ映画だけじゃなくて、外国の映画も充実している。日本のアニメーションや黒澤映画、海外での評価が高い邦画がたくさんあるのがうれしい。日本の映画は、もちろん日本語で見られるし、英語のサブタイトルも選ぶことができる。最近日本の映画がアメリカで人気が出てきているようなので、将来的にもっとたくさん見られたらいいなあと思う。

サービスの種類も、どれぐらい見たいかによって選ぶことができる。常時1枚手元にある状態で月$10ぐらい。3枚で$20だったか。うろ覚えだが。

以前は3枚のコースだったが、とても見るのが追いつかなくて見ずに返すこともあったので、始めてから4ヵ月後に1枚のコースに変更した。来たらすぐ見て次の日返して、翌日来てすぐ返す、というサイクルだと、週に2枚来ることになる。DVDを週2枚でも結構大変なので、今はこれで十分だ。

あと、家の近くにあるカウンティー(郡)の図書館でも、多くはないがビデオやDVDを貸し出している。先週末はメモリアルデー(戦没者記念日)の連休だったので、図書館で「The Load of the Ring」のDVD3部作を借りて毎晩見た。

アメリカのテレビ番組(地上波放送)は日本ほど面白くないので、映画をたくさん楽しんでいる今日この頃。

5/16/06

農場の風景


この辺りは、陶芸以外では農業と牧畜がさかんだ。車でちょっと走ると、いかにもアメリカ的農場がところどころに出現する。


この、丸いワラの塊は、Hay(干草)のロールで、牛や馬のごはんになる。広い農場に生えるHayをトラクターで転がしながら丸めていくとこういう風になるのだが、これが広い農場の中に、ぽつんと置き去りにしてあるのがとても面白い。いずれはトラックでどこかに持っていかれるのだろうけど。ちなみに一つのロールの高さは、私の身長よりも高いと思う。


こういった、古ぼけた農業小屋(Barn)も、あちこちに見かける。なかなか趣きがあって、心魅かれる。

5/3/06

アメリカンアイドル

「アメリカンアイドル」という、FOX(8チャンネル)のゴールデンタイムにある、アイドルのオーディション番組が大変な人気だ。その予選は数ヶ月前に始まり、全米各地で、さまざまな人々がオーディションを受けるところから、もう番組は始まっている。

その存在を全く知らなかった私は、イギリスリサーチ旅行から久しぶりにアメリカに帰ってくると、旦那がすっかりアメリカンアイドルにはまっていることに気がついた。

ちょっと横目で見ると、スキンヘッドのロックのにーさん(妻子持ち)、20代後半のくせにすっかり白髪のように見える若おじさん、ものすごく肥満の黒人の女性、「チキンリトル」にそっくりなちょっとダサ系の男の子など、到底「アイドル」とは思えないような人々が、マイクを握り締め歌っているではないか。

「えー、なんでこんな番組が、人気あるの?」と半信半疑の私だった。

ところが、見ることが癖になると、つい見てしまう。火曜日はパフォーマンスの日、その直後2時間の間に視聴者からの電話投票が行われ、水曜日は結果発表。毎週必ず、最下位の誰かが落ちていく。自分のお気に入りが残るかどうか、もうハラハラドキドキなのだ。

今夜の放送では、5位(最下位)だった黒人の17歳の女の子が落ちて、トップ4に絞られた。
詳しくはこちら: www.idolonfox.com/

余談だが、「アイドル/Idol」の意味は、「偶像, 神像; 崇拝される物,人, 人気者」。

「車のアイドリング」などの「アイドル/Idle」は、発音は同じでつづりが違う別の言葉だ。こっちのは「怠惰な, 仕事のない, 暇な, 活用していない, むだな, くだらない」とある。

ちなみに、「のほほん」の英訳は後者のアイドル。くだらない日記で戯言を書き散らかすのは、やめなさいということだ。

4/24/06

登り窯を焚く

土曜の午後7時から、ガスバーナーであぶりを始めた。あぶりの数時間は休みが取れるので、この間に食事と睡眠をできるだけ取っておく。

日付が変わったばかりの夜中12時から、薪を少しずつ入れ始めた。小さな割り木を、火袋の火を育てるようにくべていく。午前2時から本格的に薪を入れていく。雨がまだ小ぶりで続いていて、湿気が多い。



昨日の嵐とはうって変わって、空は快晴。

午後9時半に、窯焚きを終えた。焙り5時間、薪での焼成約20時間であった。 窯出しは、多分3日後。とても楽しみだ。

今回の窯焚きの詳細は、陶芸ジャーナル(April 2006)を参照。 http://tougeijournal.blogspot.com/

4/22/06

サンダーストームと窯詰め


今週末は、ポタリーセンターの登り窯を焚くことになっている。3月から、仕事の合間に、作品制作、素焼き、釉がけ、と準備をしてきた。先週の週末には、ハスクバーナーのチェーンソーも買って、薪も切った。

ところが、今日(土曜日)は窯詰めだったのだが、朝からゴロゴロ、カミナリ雲が鳴っている。
案の定、雨とカミナリが始まって、たびたび中断せざるを得なくなった。



空を見ると、元気よさそうな積乱雲が、西から東に動いていく。

予定よりだいぶん遅れて、窯詰めが終わった。ドア側にブロックを積み上げ閉じる。ガスバーナーであぶりをし始めたころに、 やっと空が明るくなり夕暮れが見えた。

6時間ほどあぶりをしたら、それから丸一日、薪で窯を焚く。

仕上がりが楽しみ。

2/28/06

イギリス陶芸リサーチ

2005年12月から2ヶ月間、イギリス・ロンドンに滞在した。これには大和日英基金という財団から助成を頂いた。

ロンドン滞在は3回目だ。冬の時期は、冷たい雨がたくさん降り、日の出は遅く、日暮れは早いので、あまり良い時期ではないけど。でもクリスマスやニューイヤーは、それはそれで楽しくにぎやかな雰囲気。

今回の目的は、展覧会の開催、陶芸家のスタジオ訪問とインタビュー、窯業地ストーク・オン・トレントの散策とレポート、そして美術館・ギャラリー巡り。やっと取れた長期の休みなので、無駄にせず、しっかりリサーチに費やしたい。

詳しいレポートは、陶芸ジャーナル3月