8/14/06

映画鑑賞

映画館で映画を見るのが、好きな時期があった。テレビで放送される洋画劇場やレンタルビデオではなく、小ぎれいなカッコをして、わざわざ車で3、40分かけて映画館に行き、売店でパンフレットとかも買ったりして、楽しみにしていた映画を見る、その行為を楽しいと思う時期が、私にも昔はあったような気がする。

最もドキドキするのは、席について、映画が始まる時間に、辺りの電気が薄暗くなり、スクリーンが明るくなる瞬間だった。トイレやポップコーンを買っている間に、それを失うのがとっても嫌だったので、席についたら絶対に離れたりしなかった。日常から非日常の映画の世界に飛び込む儀式のような、そんな気がしていたからだ。

さて、今日の私は、結構そんな映画美学というか信仰のようなものはすっかり消え去り、暇があって、気分的にめんどくさくなければ見に行こうかなあ、ぐらいの意気込みである。アメリカの映画館は、たいがいのショッピングモールに併設されていて、買い物の合間に気軽に飛び込む程度の娯楽だ。料金もすごく安くて、近所の映画館のケースで、午後6時以前の映画は$4(480円ぐらい?)、午後6時以降の夜の回は$6(720円?)。マサチューセッツでもさほど変わらなかったように思う。きっとどこでもそんなものだろう。

今週末、特にすることもなく、買い物に出かけたついでに、久しぶりに映画を見ることにした。すっかり人気も下火になってきた、「パーレーツ・オブ・カリビアン2」だ。ジョニー・デップのはまり役、ジャック・スパロウのいい加減ぶりが、超おかしい。海賊たちの話す言葉が聞き取りにくくて、意味が分らない部分もあったけど、まあそこそこ楽しめる映画だった。

映画を見終わった後で、これがディズニーの配給だったことに気が付いた。そういえば、ディズニーランドのアトラクションに「カリブの海賊」っていうのがあった。なるほど。ディズニーランドも、非日常体験を提供して利益を上げる産業だった。そうか、人は皆、退屈でつまらない日常から脱出するため、お金を払い、エキサイティングでドキドキできる、しかも安全が保障されている異空間に飛び込むのだ。

もし、日々の暮らしが、面白く、刺激的で、楽しくて仕方がないものだったら、そんなフェイクな非日常体験なんて、色あせて見えるのかなあ、と、ふと考えた。まあそんなことはありえないので、世の中のエンターテインメントは、世界の経済を担っているのだろう。